2010年の雇用予測や労働組合の春闘交渉内容が取り上げられています。
12月8日 日経産業新聞
人材派遣大手のマンパワー・ジャパン(横浜市)は2010年1~3月期の国内雇用予測について7業種中6業種で改善するとの調査結果をまとめた。
6業種以上で改善がみられたのは06年の4~6月期以来、15四半期ぶり。
雇用調査は従業員を「増やす」と回答した企業から「減らす」と回答した企業の割合を引いた指数(季節調整後)で表し、全体ではマイナス1と前の四半期に比べ1ポイント改善した。
改善が目立つのは製造で、17ポイント改善してプラス7となった。プラスに転じるのは1年ぶり。
このほかに卸・小売りが3ポイント改善してゼロに、金融・保険・不動産、サービスは1ポイント改善し、それぞれプラス4、プラス3になった。
12月7日 時事通信ほか
鉄鋼、造船重機、非鉄金属の労働組合で構成する基幹労連は7日、2010年の春闘交渉でベースアップ(ベア)の統一要求を見送る方向で調整に入った。
世界的な不況で大幅に悪化した各業界の業績を踏まえた判断で、今回は定期昇給の完全実施や雇用確保が中心となる見通し。傘下の鉄鋼大手労組も見送りの方向で検討している。
隔年で交渉する基幹労連にとって、10年は交渉年に当たっており、8、9の両日に宮城県松島町で開く討論集会で中央執行部がベアの「統一要求は困難」との考え方を提示する方針。
最終的な判断は個別労組に委ねられる見通しだが、JFEスチール、神戸製鋼所など大手鉄鋼の労組執行部もベアの統一要求を見送る意向だ。
(以上、記事より)
景況感は厳しいものの、雇用調整で減少した人材の補充や、その先を見据えて各業態とも雇用維持に努めているようです。
また来年の春闘では、一律ベースアップは望まず、定期昇給と雇用確保を優先するよう。
昇給率をどの程度まで上げられるかは、雇用確保と合わせて企業との厳しい交渉がされると予想されます。
ベースアップは基本として全社員給与総額のベースが上がるものであり、賃金テーブルの洗い替えにつながるものですから、法定福利費を含めた企業側の人件費負担が大きいものとなります。
定期昇給は従業員個人ごとに各賃金制度に基づいて昇給されるものであるため、人件費負担がベースアップよりも抑えることができます。
労働組合という事情があるにせよ、同業各社の給与ベースを一律で調整するというのは、時流にもそぐわなくなってきているともいえるようです。
人事・労務の知恵袋
- 人事・労務 2010年の雇用予測
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投稿日:2009/12/09
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