10月27日 共同通信
勤務中にくも膜下出血で倒れ、死亡した日本マクドナルドの元女性店長の遺族が遺族補償年金などを求めた労災申請について、神奈川労働局労災保険審査官は27日までに、長時間労働による過労死と認定、労災を認めなかった横浜南労働基準監督署の不支給決定を取り消した。
遺族は「日本マクドナルドの経営者には、二度とこのようなことが起きないよう改善してほしい」としている。
遺族を支援する連合や決定書によると、女性は横浜市の店舗の店長だった2007年10月16日、川崎市で開かれた講習中に倒れ、搬送先の病院で3日後に死亡。勤務記録上は07年1月以降の月残業時間は、5時間半~45時間程度だった。
遺族は08年9月、横浜南労基署に労災を申請。残業時間を計算する資料として通勤に使った車の駐車場の入出庫記録や、携帯電話メールの記録などを提出した。
その結果、労基署は女性が倒れた日を発症日とし、直前6カ月の月平均残業時間を約77時間と認定したが、厚生労働省の過労死認定基準「発症前1カ月間におおむね100時間か、2~6カ月間に月80時間を超える残業」を下回り、今年2月に遺族年金などの不支給を決定した。
遺族は4月、決定を不服とし神奈川労働局に審査請求。
労働局は、女性が知人に送った頭痛を訴えるメールなどから、くも膜下出血前兆の頭痛を07年9月28日には発症したと認定、平均残業時間は過労死認定基準を上回る約81時間になった。
日本マクドナルドは「現時点でコメントは差し控えたい」としている。
(以上、記事より)
他のニュースでも取り上げられていた、マクドナルド元店長の過労死に関する労災認定。
認定にあたり判断材料とされたのが、通勤用の車の駐車場入出庫記録や携帯電話でのメール記録という点に注目されます。
電子メールも最近では勤務実態を把握するための記録として利用されることが多くなりましたが、携帯電話のメール記録も同様に扱われています。
過労死認定基準となる残業時間の判断が、元々の労災認定と異なったようですが、いずれにしても勤務時間の十分な把握が必要となることは否めません。
今回の認定判断より、長時間労働から発症する健康障害に対する労働局の判断がより一層厳しくなることも十分に予想されます。
11月は「労働時間適正化キャンペーン」が実施されます。
労働時間管理に対する対策、長時間労働者へのケアなど、自社の労務管理状況について再考いただきたいと思います。
人事・労務の知恵袋
- 人事・労務 マック元店長の過労死認定 発症日、残業時間見直し
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投稿日:2009/10/29
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