厚生労働省はこのほど、新型インフルエンザの発生により、保育施設等が臨時休業となり、子どもを預けて働く親に影響が出ているという問題で、日本経団連などに、育児・介護のために休まざるを得なくなった従業員について、特別休暇を与えるなどの配慮をするよう要請しました。
実際に新型インフルエンザに罹ってしまった場合は、就業に制限をしなければならず休業措置を取ることとなりますが、保育施設の臨時休業などは就業環境への影響によるものとなるため、企業側としても具体的な対応は検討していないのが現実といえます。
インフルエンザに罹ったため休む場合は、症状が回復すれば出社することができますが、保育施設等の臨時休業は、どの程度の休業期間となるのか明確ではありません。
東京都板橋区では、保育施設が臨時休業となった場合、緊急的に他の保育施設での一時預かりを行う動きがあるようですが、すべての行政区域での対応は現実的には難しいといえます。
ちなみに新型インフルエンザに罹った場合と、罹っている疑いがあるため医療機関の受診をして休業させる場合、罹っている疑いがあるため企業が自主的な判断で休業させる場合では、労働基準法上26条の休業手当支給要件に該当するかどうかが変わってきます。
具体的には、労働基準法での休業手当の支給義務に該当するのは、「罹っている疑いがあるため企業が自主的な判断で休業させる場合」のみとなり、「実際に罹った場合」や「罹患が疑わしく医療機関の受診による休業」は休業手当の支給は必要ありません。
これは平成15年に流行したSARS(重症性呼吸器症候群)に関する取扱いが基本となるようです。
人事・労務の知恵袋
- 人事・労務 新型インフルエンザ対策で従業員への特別休暇付与などを要請
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投稿日:2009/05/21
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