人事・労務の知恵袋

人事・労務 製造現場の派遣、リコーやトヨタ系原則ゼロに

3月17日/日本経済新聞より

リコーとトヨタ自動車系の主要企業はそれぞれ、製造現場の派遣社員を原則ゼロにする。
最長3年と定められた製造業派遣に頼っていては、品質や生産性の維持・向上が難しいと判断。
主に直接雇用の期間社員に切り替え、今後、人手が不足しても製造業派遣は使わない方針だ。
大手メーカーは景気悪化で派遣社員を大幅に削減しているが、柔軟な雇用形態を維持しつつ、技術伝承など中長期的な観点から製造業派遣を見直す動きが広がりそうだ。

リコーはグループ全体の製造現場で働く4000人の派遣社員を、今年10月以降、直接雇用の期間社員か請負会社への業務委託に切り替える。
今後も製造業派遣は原則として使わない方針。
キヤノンも期間社員や請負社員への切り替えを進め、2008年末までに製造現場の派遣社員をゼロにした。
(以上、記事より)


昨年暮れに「派遣切り」と称して大々的にニュースに取り上げられた2009年問題

最近は、世界的不況の影響による市場冷え込みが、派遣社員だけではなく正社員の雇用調整にも影響を与えているため、ニュースに取り上げられる事もめっきり減りました。

(いつも思うのですが、いくら話題作りのためとはいえ、一過性的なニュースの取り上げ方って何とかならないのでしょうか?)

そんな中で、大手製造業での製造業派遣を見直し、期間雇用であっても自社雇用として人材を確保する動きにシフトしているというニュース。

バブル崩壊により中高齢世代のリストラが横行し、結果として中堅社員以下へのノウハウ継承がうまく機能せず、製造業での事故が多く発生した時期がありました。

最近では、団塊世代が一斉に定年退職した事で、また中堅社員以下へのノウハウ継承がうまく機能せず、企業体力の低下が懸念されています。

製造業派遣では、派遣社員を雇用調整弁として利用してきた事で、市場が冷え込んでいる時は雇用調整の役割を果たすとしているのでしょうが、将来を見据えると、やはり企業体力に影響が出ると考えらえています。

製造業派遣から従来の直接雇用へシフトする流れが、製造業の将来にどのような影響を与えていくのか注目したいと思います。

投稿日:2009/03/17
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