※『伸びてる企業・元気な企業の就業規則』完全マニュアルより
【今回のポイント】
1.懲戒処分の種類と程度は就業規則に定める必要がある
2.懲戒処分となる事由に応じて、処分の程度を定めていく
懲戒処分を行うには、社員との労働契約内容として懲戒する権利を明確にするために、就業規則等に規定をします。
また懲戒処分の種類と程度に関する事項は、その定めをする場合に、就業規則に相対的に記載しなければならない事項とされています。(労働基準法89条9号)
懲戒処分の種類としては、軽い方から以下の通りとなります。
【戒告】
将来を戒めるのみで始末書の提出はしない。
【けん責】
けん責(譴責)は、始末書を提出させて将来を戒める事。
始末書の提出を拒否するケースでは、提出拒否をもって、さらに懲戒処分とするのではなく、再提出の指示にも従わないようであれば、改善する姿勢がないとみなして人事評価に反映させ処遇をしたり、または普通解雇となった際の判断事由の1つとして捉えておくべきです。
【減給】
労働者が受け取ることのできる賃金から制裁罰として一定額を差し引くこと。
労働基準法91条で制限されており、1回の減給額は平均賃金の1日分の50%以下まで、減給の総額は一賃金支払期(1か月分給与の計算期間)に支払われる賃金の10%まで。
もし上記の制限を超えて減給の制裁を行う場合は、超える分を次の賃金支払期に延ばさなければならないと考えられています。
また人事評価の結果として賃金が減額される場合や、職務の変更に伴い賃金が減額される場合は、懲戒処分とは扱いが異なるため、労働基準法の制限は受けません。(S26.3.14基収518号)
なお出勤停止の懲戒処分を受けている時に無給扱いとなるのは、労働基準法の制限とは関係ありません。(S23.7.3基収2177号)
【出勤停止】
労働契約をそのままとして就労を一定期間禁止すること。
出勤停止期間中は無給とし勤続年数にも算入しない。
出勤停止の期間について法律上の規制はありませんが、あまり長期間になると無給状態が長くなり生活が不安定となるため好ましくないとされます。
長期間の出勤停止にするのではなく、この場合は、より重い懲戒処分を行うべきで、長くても14日~30日程度までを限度とするのが適切と考えます。
ちなみに多くの企業が「7日以内」と定めているのは、戦前の工場法の名残と考えられています。
※工場法:1911年(明治44年)公布、1916年(大正5年)施行、1947年(昭和22年)に労働基準法制定により廃止。
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- 就業規則 懲戒処分の種類(1)
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投稿日:2012/12/04
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