人事・労務の知恵袋

その他 違法派遣でフルキャストに事業改善命令

3月27日 朝日新聞より

東京労働局は27日、人材派遣大手のフルキャスト(本社・東京都渋谷区)が全国308事業所のうち53事業所で、労働者派遣法で禁じられている建設業務や警備業務に労働者を派遣していたなどとして、事業改善命令を出しました。
宮城県警が今年1月、同法違反の疑いで仙台支店などを捜索したことを受け、同労働局が同社に報告を求めたところ、全国で同様の違反が相次いでいることがわかったとの事。

同社に対しては、神奈川労働局が2006年8月、労働者派遣法で禁じられている建設業務への派遣をしていたとして、二俣川支店(神奈川県)に是正を指導し、これを受け、同社は翌月「社内通達において周知徹底した」とする是正報告を出しましたが、その直後の2006年10~12月に甲府支店で警備業務への派遣を繰り返していたことがわかったようです。

その後、両支店を含め同年中に全国の計53事業所で建設業務や警備業務への労働者派遣を行っていたとの報告を同社から受けたため、事業改善命令を出すことになりました。

命令を受け同社は「深く反省し、おわび申し上げる。命令を厳粛に受け止め、全社を挙げて再発防止に取り組む」とするコメントを発表しました。
(以上、記事より)


再三にわたる是正命令に対して、重ねて違法行為を行っていたもの。
2006年の二俣川支店への是正指導に対する是正報告自体も虚偽の疑念がはれません。

ここで問題となるのは、どこまで法令違反であると経営者側が知りながら、違法派遣業務を続けてきたのかでしょう。
不二家の事件につながるような企業体質があったのではないかと感じてしまいます。
全事業所のうち2割近い事業所で行っている事からも、経営者側が知らないとは思えません。

なぜ労働者派遣法で、建築業務や警備業務への派遣を禁止しているのか、派遣許可を受けているからこそ知っていたはず。

人を商材として扱う商売だからこそ、より一層の法的遵守を求められるという点を思い起こして欲しいものです。

投稿日:2007/03/28
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