日本経済新聞社が2020年秋に実施した郵送世論調査によれば、在宅勤務を「定着させるべきだ」と答えた人は56%に上り、新型コロナウイルスを契機とする働き方の意識変化が表れており、管理職が労働時間増になりやすい傾向も浮かびあがっています。
在宅勤務には管理職の負担が増えやすいとの指摘がありますが、郵送調査では管理職に相当する所得層で労働時間が1年前より長くなる結果が出ており、世帯年収500万円未満や500万~1千万円未満の層は労働時間が「短くなった」が「長くなった」より多く、1千万円以上は逆に「長くなった」が「短くなった」を上回っています。
また、働く人の悩みを聞く日本産業カウンセラー協会によると2020年は「在宅勤務の部下に仕事を頼めず残業が増えた」「チーム内の感染対策に追われる」との相談が増えており、同協会は「コロナ禍で企業は管理職の負担増に配慮が必要だ」と指摘しております。
対策に着手している日立製作所は2020年10月在宅勤務の部下とコミュニケーションを円滑に取る方法を管理職に教える研修を始めており、厚労省は近く企業向けの在宅勤務ガイドライン(指針)を改訂する予定になり、出社せざるを得ない管理職を念頭に、特定の層に仕事が集中しないように呼びかける予定になります。
人材育成サービスを手掛けるラーニングエージェンシー社の管理職の意識調査によれば、管理職の部下の成長実感と、部下との月間コミュニケーション時間の相関性があったため、
「テレワーク中の課題としてコミュニケーション不足を挙げる企業が増加しているとし、管理職は部下とのコミュニケーションの在り方を見直し、部下の成長を促進することが必要だ」とコメントしています。
管理職に限らず、コミュニケ―ションロスに陥らない仕組みづくり、制度設計をご検討されてはいかがでしょうか。
テレワークにも欠かせない人事評価の仕組みづくり