日本経済新聞
中小企業の従業員らが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)は4日、平均保険料率が2012年度に3年連続で上昇するとの見込みを発表した。
負担や財源を巡る制度が変わらなければ今年度の9.5%から10.2%に上昇する。
高齢化の影響で医療費の支出が膨らむのが原因だ。
協会けんぽは保険料率の上昇を10%未満に抑えるため、政府に税金投入の拡大や70~74歳の高齢者の窓口負担の引き上げを求める方針だ。
保険料率が10.2%に上昇すると、月収28万円の平均的な加入者の保険料負担は労使合計で月額2万9726円から3万1916円に約7.4%増える。
主に大企業の会社員が入る健康保険組合の平均保険料率は今年度に7.9%にとどまっており、協会けんぽは「このままでは中小企業と加入者に大変な負担を強いる」と政府への働きかけを強める方針だ。
保険料率は09年度には8.2%だったが、ここ数年は上昇に歯止めがかからなくなっている。
10%を超えるのは初めて。
高齢化で75歳以上の医療費をまかなうための拠出金が大幅に増えているほか、現役の加入者の医療費も増え続けていることが大きい。
来年度の加入者1人当たりの医療給付費は03年度比で2割増える見込みだ。
一方で、保険料収入の算定基礎となる加入者の賃金は減り続けている。08年の欧米の金融危機などで経済情勢が悪化し、賃金(標準報酬月額)は03年度比で5%低い水準にとどまる。
増え続ける支出に見合う収入を得るには「保険料率を大幅に上げざるを得ない」(協会けんぽ)という。
08年に始まった後期高齢者医療制度では、70~74歳の高齢者の窓口負担を2割に引き上げること を決めていたが、現在は凍結状態にある。
凍結を解除すれば、来年度の保険料率は10.14%となり、上昇幅はわずかに小さくなる。
さらに、医療費に対する国庫補助率を現在の16.4%から法律上の上限である20%に引き上げれば、保険料率は9.83%で10%未満に抑えられるという。
高齢者への負担増には与党内にも慎重論が多く、実現できるかは不透明。
財政悪化が進むなか、2800億円が必要になる国庫補助率の引き上げも容易ではない。
これから議論が本格化する診療報酬の見直しなどと合わせて、どこまで加入者の負担を抑えられるかが焦点になる。
(以上、記事より)
多くの中小企業が加入する協会けんぽの健康保険料が毎年引き上げられており、来年度も引き上げとなると、人件費アップにつながりダメージは必至です。
健康保険組合の保険料も、高齢者医療制度への拠出や現役加入者の医療費負担増により引上げ傾向にあり、協会けんぽより保険料率が低いとはいえ、同様に厳しい状況にあるのは変わりありません。
現実に医療費負担が増えているであろうというのは、傷病手当金の支給申請が年々増えているという実感からも否めず、特に精神疾患による休業に対する支給申請は確実に増えているといえます。
医療費を増やさない、保険料率を上げないためには、様々な要因をひとつずつ解決していかない限り難しいようで、今のままでは○○○スパイラル状態と同じにしか感じられず、ますます年金・保険制度に対する不信・不安が増えるだけでしょう。
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