1月26日 アサヒコム
「全国建設工事業国民健康保険組合」(本部・東京)に無資格者が多数加入していた問題で、同組合の徳島県支部(徳島市)の加入者が問題発覚後、地元市町村の国民健康保険に移るケースが相次いでいることがわかった。
多くは建設関連の仕事を廃業したとして同組合発行の資格喪失証明書を提出しているが、自治体担当者は「ほとんどが問題となっている無資格者である可能性が高い」とみている。
徳島市保険年金課によると、徳島県支部から市の国保に移る手続きをした人は問題発覚後の昨年12月末から1月21日までに35世帯65人。
いずれも世帯主が「建設関連の仕事を廃業した」と組合発行の資格喪失証明書を提出した。
しかし、市の担当者は「同じ期間に建設関連の別の組合から移ってくる例はほとんどない。一つの組合だけ、短期間でこれだけ廃業が出るのは不自然」と話している。
同県小松島、鳴門、阿南の3市の国保へも、1月だけでそれぞれ9人、8人、2人が同組合から移った。
鳴門市では、組合の脱退理由のほとんどが「廃業」。
件数を数えていない美馬、阿波両市にも組合からの切り替えや、市の国保保険料について問い合わせが相次いでいるという。
組合が徳島県支部の組合員1888人(家族を除く)を調査した結果、16日現在で回答した1542人のうち、「建設関連の仕事に従事していない」と答えたのは655人。
「従事している」と答えた人の中にも証明書を添付していない人が123人いた。
朝日新聞の取材で、県支部の組合員には、建設関連の仕事に従事していない銀行や電力会社、自治体の退職者がいることが分かった。
「市町村国保より保険料が安い、と知人から教えられた」と説明しており、加入する際の資格審査で、県支部から資格の有無を問われなかったと答えた人も相当数いた。
県支部の加賀見勝敏支部長は「加入時点で職業の偽装はなかったと思っている。
経済情勢や高齢化で、今は仕事ができないのだと思う。
現時点で仕事をしていない人が加入しているのは問題で、その点は私どもの仕事不足と言われても仕方がない」と語った。
一方、関東信越厚生局と東京都は25日、国民健康保険法に基づき、県支部の特別検査を始めた。
28日まで、加入時の資格審査が適切だったかを中心に、県支部の役職員や事務職員らから事情を聴く。
(以上、記事より)
建設国保の無資格加入状況が具体的に分かってきました。
徳島の調査結果では半数が無資格加入だったというわけです。
加入者の半数が無資格というのは、保険組合の運営として異常な状況であり、本来であれば運営が成り立っていかないはずです。
以前、建設国保に加入しているという全く別業種の経営者より相談を受けたことがありますが、まさに今回のような利用をしてきたという事になります。
一般企業ではなじみがない国保組合ですが、他にも、美容理容業や医師など国保組合を設立して運営しています。
これら組合でも同様の状況になってはいないのでしょうか。気になるところです。
人事・労務の知恵袋
- 年金・保険 全建国保の脱退相次ぐ 徳島支部、大半無資格者か
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投稿日:2010/01/26
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