日本経済新聞
加入者自身が運用手段を選択し、成績に応じて年金の受給額が変わる「確定拠出年金(日本版401k)」の加入者数が400万人を突破した。
サラリーマンのおよそ8人に1人に当たる。
長期的な株価低迷などで運用環境が厳しく、企業が年金への資金拠出の負担を抑えようとしていることが背景にある。
厚生労働省の調べによると、確定拠出年金(企業型)の加入者数は7月末時点で400万6千人と、3月末から29万3千人増加した。
4カ月間の新規加入者の数は今年3月までの1年間とほぼ同じで、増加ペースは速まっている。7月末時点の加入事業者数は3月末から489社増え、1万5117社となった。
税制適格退職年金が来年3月に廃止されるため、移行の際に確定拠出年金を選択する企業も多い。
今年に入り、従来、企業側が運用リスクを負って一定の給付を従業員に約束する「確定給付年金」を採用していたマツモトキヨシホールディングスが確定拠出型に移行。企業年金制度がなかったぐるなびも新たに採用した。
TDKやカプコンなどは適格年金の廃止に対応し、企業年金の一部に確定拠出年金を取り入れた。
今後も導入企業は増える見通しで、今年10月には日水製薬とカナモトが確定拠出年金に移行する予定だ。
確定拠出年金が普及する一方で、確定給付型の企業年金の加入者数は減っている。
3月末時点では1305万人で、10年前の2001年10月に確定拠出年金が導入されて以降、3割強減少している。
来年廃止される適格退職年金の加入者数は126万人と、前年度比で5割減少した。
株安などによる運用難で、3月末時点の上場企業の年金積立不足額は前年比4%増の9兆 1294億円に拡大している。
確定給付型だと運用成績が改善しない場合、不足分を企業が穴埋めしたり、給付額を引き下げたりすることが必要となる。
企業は確定拠出年金を導入すると、財務上のリスクを軽減できるため、導入に踏み切るケースが多い。
年金が確定拠出になると、加入者自身が自分の年金運用に責任を持つ形になる。
ただ、日本では確定拠出という制度そのものや資産運用になじみのないサラリーマンも多い。
加入者が増えてきたことで、企業は社員向けの投資教育などに一段と配慮する必要がありそうだ。
国際基準にあわせた退職給付会計基準の見直しで、年金の積み立て不足を貸借対照表に負債として計上することが検討されていることも、企業の年金負担を軽減しようという意識を高め、確定拠出型の導入を後押ししている。
(以上、記事より)
適格年金の廃止も近づき、年金積立不足の解消も進まず、さらに公的年金の将来が見通せない中、「自分の年金」をどうやって確保していくかが従業員に求められつつあります。
確定拠出年金は、企業が積立金を拠出するものの運用そのものは個人に任されているため、人によっては将来受け取る年金額に差が出てくるものとなります。
今年8月の法律改正により、来年1月からマッチング拠出という企業が拠出している積立金に個人が追加で積立金を上乗せできるようになり、また選択制401Kという毎月の給与額より一定額を拠出した際の社会保険料や税金の控除が受けられるなど、確定拠出年金制度そのものが導入・利用しやすい制度となってきています。
定年年齢の延長、公的年金額の減少に備えるためにも、今から「自分の年金」を確保し増やしていくための施策を講じていく必要があるといえます。
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