9月4日 日経産業新聞より
大日本スクリーン製造は3日、総務や人事などの管理系を中心とする社内カンパニーを廃止する機構改革を発表した。10月1日付。半導体製造装置の受注が落ち込むなど事業規模が縮小するのに対応、事業再建策の一環として組織をスリム化する。
経営企画室や技術戦略室、人事戦略室など11部門がある組織「コーポレート」を廃止。それぞれの機能を各事業部門に移管する。
(以上、記事より)
【社内カンパニー制 Wikipediaより】
社内カンパニー制は持株会社のような経営管理を、内部組織のままでおこなうためのしくみ。形式的には事業部に類似しているが、その目的は子会社に近い。
企業は事業分野別に人材・資本などの経営資源を会社本体からそれぞれのカンパニーに配分する。資本配分は管理会計の範囲で仮想的に行われる。
従来から取り入れられた事業部制(事業カテゴリー制度)を発展・移行して、社内カンパニー制度を導入する場合は、損益計算書を改善することにとらわれがちな事業部に対し、それぞれのカンパニーがバランスシートを圧縮し、キャッシュフローを改善することにも目を向けることで、全社内での各事業の位置づけを明確にでき、他事業部門との比較が可能となる。子会社の連結決算のように事業部門ごとの垂直連結がおこなえ、マネジメントが個別の事業に対して集中や撤退の決定もより容易となる。事業部門に独立性が生まれ、同じ会社内であっても、明確な経営体質や企業カラーを打ち出せる。(ここまで)
大手企業を中心に導入された社内カンパニー制度ですが、部門の独立性を重視し1企業としての動きができ、意思決定の迅速化や、責任所在が明確になるといった効果があるとされ、またB/S、P/Lを分割して作成し、財務的な面でも透明性が増すともされています。
この社内カンパニー制を廃止し、管理系の各業務を事業部門に再配置することで、財務面での黒字化を図るのが目的と思われます。
人事労務面では、1法人内でのカンパニーに属するという点では、どこの会社に所属しているのかが認識しにくく、企業に対する帰属意識にも影響があるのではという面があり、一方ではリストラのためにカンパニー制度を利用する企業もあるともされています。
カンパニーが組織上増えてくると、内部での意思決定は早いものの他カンパニーや組織間での意思決定には機動力が欠けてくるところは、制度のデメリットともいえるかもしれません。
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投稿日:2009/09/09
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